【必見!】肌トラブルの原因と対応
冬は空気の乾燥と室内外の温度差で肌トラブルに悩む季節です。何となく「乾燥のせいで肌が荒れる」と分かってる人は多いと思いますが、詳しい理由や対策を知っている人はあまりいないかも知れません。そこで、肌が荒れやすい理由と手軽にできる対策についてご紹介したいと思います。
肌荒れの原因
1、乾燥による肌荒れ
よく「冬は乾燥する」と言いますが、本当にそうなのでしょうか?月別の平均湿度と最小湿度を気象庁のデータで見てみました。すると…
平均湿度 | 最低湿度 | |
1月 | 52% | 16% |
2月 | 59% | 12% |
3月 | 57% | 14% |
4月 | 71% | 25% |
5月 | 62% | 12% |
6月 | 75% | 22% |
7月 | 80% | 42% |
8月 | 78% | 42% |
9月 | 79% | 22% |
10月 | 66% | 22% |
11月 | 74% | 17% |
12月 | 57% | 22% |
実は、平均湿度は7~9月を除くと大して差がないんです。
では「夏以外はあまり乾燥に差が無いのか」というとそうではありません。
少し難しい話になりますが、大気の中の水分量は冬の方が圧倒的に少ないんです。
湿度とは、空気が水蒸気の形で包含できる水分量(飽和水蒸気量)を100%とした場合に、実際の空気中の水分量が何%にあたるかを表した数値です。そして、この水分量は、気温が高ければ高いほど多く、逆に気温が低い冬は少ないのです。そして、大気中の水分量が少ないので、家に帰ってエアコンをつけたりすると、温度が上がるぶん湿度が極端に下がります。
例えば室温10度の家に帰り、25度に設定したエアコンをつけたとすると、湿度は何と10%未満に!そりゃもう、どんどん肌から水分が失われます。
また、最低湿度は10~20%と極めて低く、やはり肌からはどんどん水分が奪われ、ひび割れた大地のようになってしまいます…
乾燥による肌荒れ対策
乾燥対策はとてもシンプルです。温度差ができるような環境(エアコンやヒーターを使うときなど)には加湿器などを使って湿度を保つようにしましょう。また、外出時には肌の露出を控えるような服を着用しましょう。
2、バリア機能の衰え
よく「乾燥による肌荒れ」と言われる本当の原因はバリア機能の低下です。というのも、10代や20代で、冬にシワができたり肌荒れをした人を見ることはあまり無いと思います。冬に肌荒れを実感するのは、代謝が衰え始める30代からが多いのですが、その理由がバリア機能の衰えです。
私たちヒトは夏でも冬でも体温が変わりません(これを恒温動物と言います)。したがって、夏は汗を出し、汗が蒸発する時の気化熱を使って余分な熱を排出します。逆に冬は、体温を維持しようと皮膚表面の血管を収縮させます。
そして、血管を収縮することにより流れる血液の量が少なくなるため、健康維持に必要な栄養が皮膚に充分に届かなくなってしまいます。そのため、皮膚のラメラ構造が壊れやすくなるのです。
ラメラ構造とは、細菌・紫外線・化学物質から肌を守るためのバリア機能で、水分量を維持する細胞間脂質の「セラミド」と、水分の蒸発を防ぐ「皮脂」のことです。(以前詳しく紹介した記事はこちら)
そして、ラメラ構造が壊れることにより、かゆみを感じる細胞が露出すると、外からの刺激を直接受けるためかゆくなってしまうのです。さらに、この細胞は外からの刺激を受けると、かゆみを引き起こす物質「ヒスタミン」の分泌を促します。つまり、かゆいからといってかいてしまうと、余計にかゆくなるという悪循環に陥ってしまうわけです。
バリア機能の対策
このバリア機能の衰えは保湿クリームや化粧品で抑えることはできますが、使うものによって差がありますし、原料によっては赤みやかゆみなど、別の肌トラブルにもなるので気をつけましょう。
バリア機能の対策その2
バリア機能の対策でもう一つ重要なことがあります。それは「脂の落としすぎに注意」することです。
お風呂に入った時などに、体を石鹸でゴシゴシしてしまうと、ラメラ構造を形成している皮脂まで落としてしまうことになり、バリア機能が低下してしまいます。特に顔は、身体よりも洗う機会が多い上に、最も露出しやすい部分ですので、洗顔は顔を手で洗うのではなく、石鹸の泡でなでるようなイメージで洗うようにし、タオルで拭く時も肌にぽんぽんと当てるような感じで水分を落とすようにしましょう。
まとめ
あと1ヶ月もすると厳しい冬がやってきます。
毎年、この季節には肌のかゆみや肌荒れに悩まされると思いますが、適切なスキンケアで少しでも肌ストレスを減らせるようにしたいですね。