健康

【食中毒予防】梅雨入り前に知っておきたい3つの食中毒

命に関わることもある食中毒、きっちり予防して楽しい夏を迎えましょう!

梅雨入り前に覚えておきたい食中毒対策

間もなく訪れる梅雨。洗濯はできないし料理もすぐ傷むためウンザリする人も多いこの季節、カビや昆虫、細菌(さいきん)やウイルスたちは活発に活動をするようになります。

今回はそういった最近やウイルス、化学物質が引き起こす食中毒について基礎知識と対策を紹介したいと思います。

そもそも食中毒って何?

食中毒とは、食中毒を起こす原因となる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状が出ることで、その原因によって5種類(+その他)に分類されます。

  1. 細菌性食中毒…黄色ブドウ球菌やボツリヌスなど
  2. ウイルス性食中毒…ノロウイルス、肝炎ウイルスなど
  3. 化学性食中毒…ヒスタミン(鮮度の落ちた魚や発酵食品などに含まれる)など
  4. 自然毒食中毒…フグやトリカブトなど
  5. 寄生虫性食中毒…アニサキスなど
  6. その他…カビ毒など

予防法は?

食中毒の予防は、それぞれの原因によって異なります。ただ、調理時の加熱、調理器具の洗浄、肉を切ったまな板で生食する食材を切らないといったことや、二次感染を避けるため不用意に感染者に近づかないといったことが予防につながります。

いま特に気を付けたい食中毒

特に発生件数の多い食中毒の原因トップ3をご紹介します。

①カンピロバクター

全食中毒で見ても断トツの被害件数が出ているのが「カンピロバクター」による細菌性食中毒です。去年は320件の事件が発生しましたが、これは食中毒全体(1014件)の3割以上、細菌性食中毒のほとんどがこのカンピロバクターによるものです。

カンピロバクターの特徴

ニワトリ、ウシといった家畜だけでなく、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌しています。アメリカでは飲料水を介して約2,000人が感染したという事例もありました。
カンピロバクターはヒトや動物の腸管内でしか増殖しない、乾燥に弱い、通常の加熱調理で死滅するなど弱点が多いものの、数百個程度という少しの菌量でも感染するのが特徴です。

感染すると、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感といった自覚症状が出ます。感染者に体力があれば1週間ほどで治癒しますが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。日本では過去10年、死亡例はありませんが、感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。

カンピロバクターへの対策

カンピロバクター感染で最大の原因は鶏肉の不十分な加熱です。従って、対策としては

  • 十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)すること
  • 鶏肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行うこと
  • 鶏肉を取り扱った後は十分に手を洗ってから他の食品を取り扱う
  • 鶏肉の調理に使った調理器具等は、なる早で洗剤を使って綺麗に洗う

こういった対策が有効です。なお、鶏以外の肉を扱う時にも、同様の対応をすることが望ましいです。

②ノロウイルス

去年の発生件数は214件と、カンピロバクターの2/3にもかかわらず、患者数が8,496人と全食中毒患者数16,464人の実に半分を占め、1件あたりの患者数が40人(他は多くて7人)という異常な感染力を誇るのがノロウイルスです。幸い、昨年はノロウイルスが原因で亡くなった方は居ないそうです。

猛威を振るうのは10月~4月の寒い時期で、特に12月、1月にピークを迎えます。

ノロウイルスはヒトの腸管でしか増殖できません。その腸管で増殖したノロウイルスが下水などに流され、二枚貝などに蓄積し、これを食べた人や、その保菌者から感染した人の腸管でまた増殖する、というサイクルを取ります。

感染については感染者との握手などの接触だけでなく、空気感染(の一種である塵埃感染と)も有り得るとの研究もあります。また、保菌者の便や吐瀉物1㌘の中には10億個以上のノロウイルスが含まれており、理論上シャーペンの芯先(2㎜ほど)の便や吐瀉物から10万人に感染するという恐ろしい話もあります。

私も冬コミのスタッフ集会で特に強く言われるのが「吐瀉物に近づかない、他の参加者を近づけない」です。

ノロウイルスの特徴

ノロウイルスは手指や食品などを介して口から感染し、腸管で増殖します。感染すると、おう吐、下痢、腹痛といった症状が出ます。健康であれば軽症で回復しますが、体力のない子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐瀉物が気道に詰まって死亡することがあります。
またノロウイルスにはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られます。

ノロウイルスの対策

ノロウイルスの対策は、一般的な食中毒対策に加え、特に感染者からの二次感染を予防する必要があり、手洗い、消毒が重要になります。また口からしか感染しない(食品感染、飛沫感染、手を口元でぬぐうなどの行為)からしか感染しないので、汚染された食品を口にしない、飛沫しやすい環境に身をおかない、口元をぬぐわないことが鉄則になります。

また、二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。牡蠣やシジミ、アサリなどは十分に加熱しましょう。なお、生食用の牡蠣からも感染するケースは十分あります。

②アニサキス

今年に入り、すでに60件もの被害が出ているのが、寄生虫「アニサキス」による食中毒。

厚生労働省の統計によると、2007年はたった6件だったアニサキスの報告件数が、昨年には40倍近い230件に増え、今年も4月末で既に60件と、食中毒の原因物質としてはノロウイルス、カンピロバクター菌に並んで猛威を振るっています。


(出典:読売新聞)

※なお、これだけ件数が急増した原因のひとつは2012年の食品衛生法改正です。この改正により、それまで報告義務がなかったアニサキス治療について保健所への報告が義務付けられたため、結果的に急増したように見えるようになったようです。

アニサキスの特徴

アニサキスは幼虫が長さ2~3センチ、幅0・5~1ミリで、白い糸のような形をしており、サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生しています。普段は内臓に寄生していますが、鮮度が落ちると可食部である筋肉に移動します。

アニサキスによる食中毒にかかると、みぞおちや下腹部に激しい痛みを感じたり(急性胃アニサキス症)下腹部の激しい痛みや腹膜炎急性腸アニサキス症)、嘔吐(おうと)いった症状が出ます。

アニサキスへの対策

アニサキスへの対策としては、

  • 新鮮な魚を選び、丸ごと1匹で購入した際は速やかに内臓を取り除く
  • 内臓を生で食べない
  • 目視で確認して、アニサキス幼虫を除去(気持ち悪いですが…)
  • 冷凍(-20℃で24時間以上)や加熱(70℃以上または60℃では1分)する

以上のような対策があります。

般的な料理で使うお酢、塩漬け、醤油やわさびでは予防できません