口臭や黄ばみで印象の悪化…だけじゃない!放っておくと本当に死んでしまう“歯周病”

“歯周病”という言葉を耳にする機会も多いと思います。文字通り、歯の周りに関係している病気で、身近な症状では歯茎が腫れる歯肉炎や、私たち日本人が最も歯を失う原因と言われる歯槽膿漏も歯周病のひとつです。
ところが、最近の研究では歯周病が口臭や歯が抜けるだけでなく、多くの命に関わる病気の原因であることも分かってきました。
糖尿病と同じく、名前からは怖さが伝わらない歯周病について、どんな病気に関わっているか、どう予防するかご紹介します。


歯周病ってどんな病気?

歯周病とは、Wikiによると

歯周病(ししゅうびょう)とは、歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨より構成される歯周組織に発生する慢性疾患の総称である。歯周疾患(ししゅうしっかん)、ペリオ (perio) ともいい、ペリオは治療のことを指すこともある。ただし、歯髄疾患に起因する根尖性歯周炎、口内炎などの粘膜疾患、歯周組織に波及する悪性腫瘍は含まない。(出典:Wiki『歯周病』

とあります。

一部を除く歯、歯茎(歯肉)などの病気をまとめて歯周病と言うのですね。ちなみに、歯茎が腫れたりする「歯肉炎」と、歯を支えている歯槽骨が破壊される「歯周炎」とに分かれており、歯槽膿漏はこの歯周炎の一種です。

歯周病が原因の怖~い病気

怖い怖いと言ってきた、歯周病が引き起こす病気の一部を紹介します。

  • 歯周病菌が血管の中に入り、心臓の弁や内膜で炎症を起こすため、感染性心内膜炎になる可能性があります
  • 歯周病原因菌が血小板に入り込んで血栓ができやくすなるため、狭心症や心筋梗塞、バージャー病の発症リスクが高くなります
  • 糖尿病と相関関係にあり、糖尿病による免疫不全で歯周病を発症すること、歯周病により糖尿病が悪化することが知られています
  • 白血球内に潜伏しているHIVウイルスを活性化させる可能性があることを、名古屋市立大学、日大をはじめとする研究グループが発表しました
  • 冠状動脈系心疾患(CHD)の原因となる動脈硬化が進行する可能性があります
  • 誤嚥性肺炎もまた、原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われています
  • 骨粗鬆症や関節炎、腎炎もまた、歯周病との関連が指摘されています
  • 早産や低体重児の出産にも関係があります

いかがですか?あまり聞いたことがない病名もありますが、心筋梗塞や糖尿病、動脈硬化などは誰もが聞いたことがあると思いますし、どれだけ怖いかもご存じだと思います。
歯磨きをサボるだけで命に関わるなんてシャレにならないですよね。

歯周病の予防は?

歯周病の予防はとにかく歯垢や歯石をつけない、放っておかない、すぐ落とすことです。歯磨き(ブラッシング)は基本中の基本。歯だけでなく、むしろ歯と歯茎の間に歯垢が残らないようブラッシングしましょう。
また、食習慣や喫煙、ストレスなども歯周病を進行させる原因となります。

「Floss or Die」

アメリカでも、1996年ノースカロライナ大学Beckらにより歯周病とアテローム性動脈硬化症との関係が示唆され、「Floss or Die(意訳:歯磨き止めますか?それとも人間やめますか?)」というスローガンが作られ、メディアを通して国民に伝えられたそうです。

歯医者で〇と聞こえたら要注意!

さて、ここからは私の体験談になります。
実は先日、歯の詰め物が取れてしまい歯医者に行ったのですが、
取れた歯の詰めなおしも終わったあと、担当してもらった歯科医に
「口の中の状態を確認しておきますね。」と言われ、私も念のためにお願いしたところ、
「左上から〇番インレー、〇番から〇番インレー、右いって〇番インレー…」という感じで進みました。
謎の「インレー」という単語だけ聞きながら確認も一通り終わりました。
とは言え、そこは好奇心が働き、「インレーって何ですか?虫歯ですか?」と恐る恐る聞くと、
「インレーは被せ物のことですよ(笑)。虫歯があったらC(カリエス)って言います。歯周病はP(Periodontal Diseases)です。」
と教えてもらいました(このページのURLもPeriodontal Diseasesから付けてます)。
「Cって言われたら覚悟してくださいね♪」とも。
でも本当に覚悟しないといけないのは「P」と言われた時なのかもしれませんね…