これからの季節、肌の露出が増えますね。
紫外線対策に日焼け止めクリームやスプレーを使う機会も多くなります。
紫外線(UV)はシミやそばかすの原因となるだけでなく、皮膚がんのリスクを増加させるので、
美容だけでなく、健康面からも日焼け対策は極めて重要です。

ところが、このタイミングでアメリカから気になるニュースが飛び込んできました。

なんと日焼け止めの成分が〇〇されていた⁉

Wiredの記事によると、薬局やドラッグストアなどで手軽に買える日焼け止めの成分が、肌から吸収されているという実験結果が出たそうです。
それもクリーム・ローション・スプレーなど全ての日焼け止めグッズから
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190509-00010000-wired-sci

実は以前から「日焼け止め成分が皮膚から吸収されるのではないか」という疑いはあったのですが、
すでに当局の許認可を得ていたため、検証される機会がありませんでした。
今回、FDA(アメリカ食品医薬品局)が米国で最も一般的な日焼け止めの配合成分4種類について小規模な臨床試験を行った結果、
UVから肌を守るための化学物質はが血液中に流れ込んでいることが明らかになりました。
これらの成分に発がん性や生殖など健康に影響がないか、今後臨床試験などで調べることになりそうです。

日本への影響は?

今回の試験はアメリカで行われたものですが、この結果を受けて日本でも化粧品業界や化学品業界に影響があるかもしれません。
規制などにより、将来UVケア製品のラインナップが変わってくる可能性もあります。

日焼け止めは使わない方が良い?

では日焼け止めを使わない方が良いのでしょうか?
記事では

すぐさま日焼け止めを使うのをやめるようなことはしないでほしい。紫外線防御剤は人体に悪影響を及ぼすという証拠が見つかったわけではないからだ。

紫外線が皮膚がんを引き起こすことは医学的に証明されている。つまり、日焼け止めを塗ることは確実に有益だが、(紫外線防御剤に)それを上回るようなリスクがあるのかを、わたしたちは知らないのだ。

とあります。
日焼け止め成分が安全かもしれないので、「日焼け止め成分に危険性がある」という結果が出るまでは紫外線からの健康被害を避けるためにも肌を露出する時には日焼け対策を続けた方が良いでしょう。

【参考】今回の試験内容と結果について

FDAが行った試験内容と結果についてまとめました。
専門的な内容はリンク先にあるので、要点だけ分かりやすく説明します。
被験者:男性12人、女性12人
試験対象:市販の日焼け止め4種類(スプレータイプ2種類、クリーム1種類、ローション1種類)
試験方法:メーカーの使用方法にしたがって1日4回(4時間ごと)で4日間使用し、使用中~使用後3日の計7日間
使用箇所:体の表面の75%(水着を着用したときの露出面積と同じ)
試験結果:クリーム状の日焼け止めは使用中止後、すぐに血液中の化学物質は減った
     スプレー・ローションは使用後の3日間も化学物質が増えた

今後の課題

現時点では、紫外線防御剤の影響が「わからない」ことが問題です。
今後の課題として、紫外線防御剤の成分が人体にどんな影響を与えるかの確認が必要でしょう。
特に乳幼児や小さな子どもへの影響や、試験の環境と違い日常生活で使用した場合などは報告が待たれます。

来年には日焼け止めの常識が変わるかも⁉

不安をあおるような記事を紹介しましたが、調べた限りでは日焼け止めクリームを塗った人に健康被害があるような統計はありませんでした。
ですので、今年はきっちり日焼け対策をしてシミや肌荒れ、皮膚がんから肌を守りましょう。